- 朝日生命保険は22日、藤田護社長(66)が代表権のある会長に就き、後任に佐藤美樹常務執行役員(58)が昇格する人事を発表した。7月上旬に開かれる総代会後の取締役会で正式に決定する。
1996年に就任した藤田社長の在任期間は12年に及び、生保業界の現役社長としては最も長い。同社はバブル崩壊後の生保危機の時代に一時深刻な経営難に陥ったが、リストラを柱とした改革に着手。経営再建に一定のめどがついたとしてトップの座を譲り、佐藤氏の下で成長ステージへの移行を図ることにした。
東京・日本橋本石町の日銀本店で同日会見した藤田社長は、社長交代を決めた理由について「社長在任が世間一般的に見てきわめて長くなった。今年度は中期経営計画の最終年度だが、新たなトップの下で新たな経営計画を作ることが望ましいと考えた」と述べた。⇒
保険ランキング 藤田社長の在任期間が長くなったのは、バブル崩壊後の運用環境悪化で、いわゆる「逆ざや」問題が生保経営を圧迫したため。この苦境を打開するため、2000年に当時の東京海上火災保険、日動火災海上保険との経営統合構想を発表。系列を超えた生損保再編として注目を集めたが、後に撤回。単独での生き残りを目指し、01?04年度に内勤職員数を4割弱削減するといった大規模なリストラを断行した。
こうした取り組みが奏功し、06年3月期には4年ぶりに契約者配当を復活。07年8月には米ムーディーズが格付けを「Baa格」(支払い能力が適切)に6年ぶりに戻すなど経営体力を回復。だが、上位生保と比べると逆ざやが多く残るなど課題もあり、藤田社長は「まだ完全復活には届いていない」と無念さものぞかせた。⇒
保険ニュース しかし、「現在、生保業界は少子高齢化や郵政民営化など厳しい環境にある。次のステージに入るには、若い社長の下で役職員が一体となって取り組んでいくことが望ましい」との思いで佐藤氏にバトンを渡した。
生保危機を体験した最後の世代である藤田社長の退任は、生保業界が「危機」の時代を脱し、各社の戦略が問われる「競争」の時代に入ったことを改めて示した。
朝日生命社長に佐藤氏 藤田氏は会長、若返り図る(Yahoo!ニュースより)
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