- 主要生命保険会社の2008年9月中間業績で、各社が商品化している変額年金保険の「元本保証」「最低保証」制度が抱える問題が浮き彫りになった。株式相場の下落により、多くの変額年金商品で運用成績が悪化し、各社は最低保証の支払いに備えた基金(責任準備金)の積み増しを余儀なくされた。この結果、変額年金に注力した生保ほど基礎利益を減らすことになった。⇒保険ブログランキングはこちら
中間業績で元本保証や最低保証のために基金を積み増す「最低保証コスト」が最も多かったのは住友生命保険で、519億円にのぼった。このため、同社は基礎利益が前年同期比25.1%減となり、「最低保証コストは支払いに備えたものなので損失ではないが、基礎利益への影響は大きい」としている。
T&Dフィナンシャル生命保険が166億円、三井生命保険が118億円、第一生命保険が111億円、米国系のマニュライフ生命保険が88億円−など、多額の最低保証コストを計上した。
変額年金保険は、運用成績に応じて年金額が増減するハイリスク・ハイリターンの保険商品で、契約者は高利回りを狙える反面、運用環境が悪化すれば払込金額よりも年金額が減少する恐れがある。このため最近の変額年金商品の多くは、支払った元本分や一定金額を保証する仕組みを取り入れている。
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【予報図】
■売り手、買い手双方「そっぽ」も⇒
保険ブログランキング 2002年に保険商品の銀行窓口販売が解禁されて以降、老後の生活資金を準備できる金融商品として急成長してきた
変額年金保険だが、金融危機で潮目が変わった。10月以降は市場環境がさらに悪化し、元本割れする商品が拡大しているため、有望市場から一転して厳しい局面に立たされている。
大手生保で
変額年金保険の売り上げが最も大きい住友生命保険の橋本雅博常務は、今年上期の段階で、「相場の下落を受けて、変額年金に対する契約者のマインドはマイナスになっている」と指摘した。三井生命保険の山本幸央・常務執行役員も、変額年金のような積極運用型の保険商品について、「自粛しているわけではないが、積極的な販売は見直しも必要」との見解を示した。
10月には、変額年金のシェア首位に立つ米系ハートフォード生命保険で、変額年金の主力商品の9割以上で、運用成績が元本の8割を下回った。同商品は、この時点で株や投資信託による積極運用が停止する仕組みになっていたが、契約内容の周知不足などで契約者から問い合わせが殺到する事態になった。
保険というよりは投資信託に近い商品特性に、消費者も慎重になっている。日本生命保険は、変額年金よりも、運用成績に連動しない定額年金保険の売れ行きが好調だと指摘し、最近の銀行窓販の販売額は前年同期比4〜5倍のペースという。同社は「消費者ニーズが安定志向へシフトしている」とみる。
変額年金は、団塊世代の大量退職元年の2007年に向けて、大きく売り上げを伸ばしたが、ある大手生保は「今後は揺り戻しが起こるだろう」と話す。
一方、変額年金を扱う外資系生保の多くは、運用成績の悪化に備えた保険(再保険)をかけることにより、元本保証や最低保証を可能にしてきた。しかし、株式市況の低迷の長期化は再保険料の高騰に結びつき、契約者の利回り低下を招きかねない。売り手、買い手双方で、変額年金離れが進む可能性がある。(滝川麻衣子)
変額年金「元本保証」裏目に 運用悪化で生保各社のコスト増(Yahoo!ニュースより)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081201-00000013-fsi-bus_all
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