- 銀行窓口販売専業で変額年金保険で国内首位のハートフォード生命保険は1日、日本での新規の保険販売を6月1日から休止すると発表した。事実上の日本事業からの撤退となる。既存契約者の保険契約は守られ、保険金支払いなどの業務は継続するが、最大手の撤退は、2002年の銀行窓口販売の解禁以降、成長市場とされてきた変額年金保険の曲がり角を印象づけた。
◆親会社の財務悪化
親会社の米金融大手ハートフォード・ファイナンシャル・サービシズ・グループが、金融危機による財務体質の悪化から、世界的な事業の再構築を発表したことを受けた。
販売を休止するのは変額年金のほか、定額年金保険、変額終身保険の全商品。このうち、国内での変額年金の保有契約数は55万5000件。⇒
保険ブログランキングはこちら 同社は変額年金保険の銀行窓販が解禁された02年から、提携金融機関に保険商品を提供する形で、国内市場に参入。退職者や富裕層を対象に国内の変額年金市場を開拓してきた。銀行や証券会社など、取扱金融機関は80社にのぼる。
昨年10月、金融危機による市場の混乱で変額年金の主力である元本保証付き商品は、実に9割以上が元本割れとなり、これが経営を圧迫した。提携銀行でも同社商品の窓口での販売を控える動きが続き、今年1?3月の売上高にあたる保険料収入は、前年同期比の8割減の189億円に転落していた。
ハートフォードの撤退は、変額年金を扱う損保系生保や大手生保、販売窓口の銀行にも波紋を広げている。
業界関係者は「トップの撤退で変額年金市場全体のイメージダウンにつながらないか」と困惑する。「米国本社の経営悪化という特殊要因もあり、変額年金自体が悪いわけではない」(業界関係者)と、同一視されることを懸念する。
◆他の生保に波及も
しかし、同社に限らず、日本で販売されている変額年金の大半が元本保証付き。「投資信託に元本保証が付いているようなものでおかしい」(大手生保幹部)とも指摘される変額年金の大量販売のつけは大きく、他社でも変額年金の販売休止や商品の見直しが相次ぐ可能性がある。
住友生命保険や三井生命保険などは、商品が元本割れした場合、準備金を積み立てて支払いに備えている。三井生命は元本保証費用の拡大などにより、08年4?12月期で約1000億円の最終損失を計上。これを受け、同社は変額年金の販売を停止している。
ただ、銀行窓販の保険商品は、売り手側の銀行にとって魅力的な手数料ビジネス。変額年金自体は「退職後の生活資金として魅力ある商品であることにも変わりはない」と関係者はみている。変額年金からの撤退が相次ぐ中、淘汰(とうた)された保険会社に追い風が吹く可能性も十分にある。(滝川麻衣子)
ハートフォード生命、日本撤退 変額年金市場、成長に暗雲(Yahoo!ニュースより)
自動車保険の保険料ってどれくらい差があるんだろう?と疑問に思ったらここをチェック!実際に一括見積もりを利用した20代~50代のドライバーの自動車保険の見積もり結果を徹底比較
⇒