- 生保大手、三井生命保険の定時株主総会が26日、東京・大手町の本社ビルで行われた。平成21年3月期は、国内生保最大となる1799億円の最終赤字(単体)を計上。無配転落を余儀なくされた。4月1日に就任した山本幸央社長は、荒波の中の船出となる初の株主総会に緊張の面持ちで臨んだ。だが、結果は「質疑ゼロ」のシャンシャン総会。肩すかしの結果に、会社の総会担当者らも「喜んでいいのか、どうか」との声ももれた。
《冒頭、山本社長が就任のあいさつを述べた》
山本社長「当社を取り巻く環境が厳しい中ではありますが、全力を尽くす所存でございます」
《三井生命は非上場。参加した33人の株主は大口先の担当者ら。山本社長は、深々と頭を下げた。続いて、平成20年度の事業報告がナレーションとスクリーンで紹介され、山本社長は、金融危機の打撃からの経営再建計画を説明し、無配転落を陳謝した》
山本社長「大幅な当期純損益を計上したことに伴い、株主の皆様には誠に申し訳ありませんが、株主配当の支払いについて見送らせていただきます」
「業績を改善させ、早期の復配を実現すべく、役職員一丸となって取り組んでいく所存です」
《これが上場企業ならば、拍手なりヤジなりが巻き起こるところだが、会場内は水を打ったような静けさ》
山本社長「それでは報告事項に関してご質問をお受けしたいと思います。ご質問はございませんでしょうか。ご質問は。ご質問はありませんか」
《山本社長の目は会場を右から左にキョロキョロキョロ》
山本社長「何か質問はございませんか」
《安(あん)堵(ど)とも困惑ともとれない表情を見せた山本社長は、一呼吸置いて続けた》
山本社長「では、決議事項の審議に入りたいと思いますが」
《会場からは、やっとパチパチとまばらな拍手》
山本社長「それでは議案の審議に入らせて頂きたいと思います」
《取締役選任などを含む第1?3号議案が読み上げられる》
山本社長「本議案についてご質問などはございませんでしょうか。ご異議ございませんでしょうか。議決権行使書と合わせ、本議案は原案どうり可決承認されました。ありがとうございました」
《台本どおり、練習どおりの進行。読み上げと、拍手の確認が3回繰り返される》
「以上で本日の議事はすべて終了しました。これをもって、定時株主総会を終了いたいします」
《新任の取締役と監査役が一人ずつ紹介された後、開始から35分のスピード総会の幕は下りる》
山本社長「それではこれをもちまして散会といたします。本日は誠にありがとうございました」
山本社長は、また深く一礼して書類を手に無表情で退場した。質問がまったくなかったのは、株式会社化して初めて開かれた平成16年の第1回定時株主総会以来となる。広報担当者も「かなり回答を用意していたのだが」?。
昨年までは、経営目標としてきた上場についての質問が出ていたが「巨額赤字の計上で、まずは再建に集中するという姿勢で株主とも認識が一致していたのでは」(同社関係者)。
それにしても、巨額赤字で厳しい株主質問にさらされた他の企業トップからは、ため息が漏れるような静かな総会となった。
三井生命の総会、質問ゼロ 担当者ら「喜んでいいのかどうか…」(Yahoo!ニュースより)
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